こちらの記事では(2019年7月25日)に発売されたキングダムの最新話608話のネタバレや感想、考察

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最新話キングダム608話のネタバレ

朱平原の戦いの中、李牧を勧誘する王翦

「私と一緒に来い李牧」

 

王翦はついに李牧と相対します。

しかし、敵将李牧を打ち取らず、言葉を交わし始める王翦。

 

「お前が私と組み、力を貸すなら

二人で全く新しい最強の国を作ることができる」

 

王翦の目的は、「国を作る」ことだったのである。

ざわつく秦軍、趙軍の両軍――

 

二人の間に、長い沈黙が流れる。

 

それを破ったのは李牧だった。

 

「王翦」

 

「私はあなたのことを

そこまで詳しくは知りません」

 

「しかし」

 

「あなたは国を亡ぼすことはできても、

 国を生み出すことはできない人間です」

 

李牧の言葉を受け、

再び沈黙する両軍。

 

王翦をはじめ、

お互いの軍もまた、緊張に息を呑んでいた。

 

そして、李牧が畳みかけるように言う。

 

「王翦、

あなたは恐らく」

 

「この場にいる誰よりも

愚かな人間だ」

 

李牧の言葉を受けた王翦は、

光の無い目で彼を見つめる。

 

そこには怒りも悲しみもなく、

ただ黒い色だけが広がっていた。

 

「それが、応えか。

李牧、あえて報われぬ道を選ぶか」

 

王翦が李牧を勧誘することは

失敗に終わった。

 

決定的になる両者の溝

王翦の言葉に、

厳しい視線を浴びせながら李牧が返す。

「報われぬとか、

そういう話ではないのですよ」

 

“大儀”です。

己を最上に置く歪んだあなたには

理解はできないでしょうが」

「悲痛な叫びにしか聞こえぬな、李牧」

 

余裕のある態度を崩さず、

李牧の言葉を嘲る王翦。

 

しかし、李牧は

強い視線で王翦をにらみ返し、

毅然として言い放つ。

 

「趙国を亡ぼすことは

 私が決してさせませんよ、王翦」

「必ず、後悔するぞ李牧」

「あなたの方です」

 

言葉と同時に、王翦が手を高く挙げる。

それは攻撃の合図だった。

 

「李牧を殺せ」

 

王翦の号令を受け、

秦の兵士たちが一斉に李牧へと向かう。

 

それに対応して、

趙の兵士たちも、李牧を救援せんと駆け出した。

 

ついに李牧軍と王翦軍との死戦がはじまる。

お互いの兵に導かれ、将軍である李牧と王翦は下がった。

 

その時でさえ、

二人の視線は敵将を見据えている。

 

(李牧、程なくして右翼が抜けてくる)

(王翦、秦右翼を頼みとしてもムダですよ)

 

「おまえに勝ち目はない!」

「あなたに勝ち目はない!」

 

王翦と李牧との戦いは、

が戦う右翼の戦果に託されたのだった。

右翼の戦場、不調の信

 

一方、右翼で戦いを続ける信は

謎の不調に苦しんでいた。

 

普段はどれだけ戦っても体力の余っているのだが、

汗が滲み、息があがり、武器も重く感じる。

 

「信っ 大丈夫か」

 

仲間の声に反応する余裕もない信。

 

うなだれながら、

その現状に苦しんでいたのは

何よりも信自身だった。

 

(くそっ なんで力が戻らねェ……)

 

(傷口とかじゃねェ……昨日の……)

 

信は肩で息をしながら、

昨日のことを思い出していた。

 

趙峩龍――

趙軍の猛将との、壮絶な戦いを。

 

(超峩龍との一戦が、想像以上に「重かった」のか……)

 

信が疲れ果て、

調子を戻しきれない状態であっても、

戦場は動いていく。

 

「ダメだ! 十槍が強すぎる」

 

悲痛な声。

信の仲間である我呂の胸に、

趙軍の精鋭たち、「十槍」の1人の槍が突き刺さる。

 

「第三槍、この平秀に対し、よくやった方だ。誇れ」

 

絶体絶命の我呂。

勝ち誇る平秀を睨みつけるが、そこに普段の眼力はない。

 

瞬間。

 

(矢だと)

 

何処かより飛来した矢が、

平秀の腕を貫く。

 

その一瞬のスキをつき、

死に体だった我呂が武器を振るう。

 

「十槍1人を討ったぞォ!」

「平秀様ァ!」

 

両軍の兵士が駆け寄る。

平秀は討ったが、我呂は限界が近いようだった。

 

「矢に助けられた……

今のは間違いなく、弓矢兄弟 の矢だ」

 

卓越した弓矢の腕を誇る兄弟、仁と淡。

我呂を助けたのは、その兄である仁の放った弓だった。

 

たまたまだ。頭を狙ったのに、外れてたまたま、手に当たった」

 

苦しそうな顔で、弟に話しかける仁。

腕も弓も、連日の戦でもはや限界に来ていたのだ。

百発百中を誇った仁の弓も、陰りが見え始めたのである。

 

(兄ちゃんはずっと頑張ってるのに

オイラの矢は……)

 

淡は矢を放つが、

それはあらぬ方向へ飛んでいく。

 

淡の矢は、いまだ敵を射抜けずにいた。

 

役に立てない自分に、

悔し涙を流す淡。

そんな弟に向けて、仁は

息も絶え絶えながら笑って見せる。

 

「無理にうたなくていい。

だけど、兄ちゃんと約束しろ、淡」

 

「兄ちゃんが撃てなくなったら、

 その時は代わりにお前が撃て」

 

右翼の戦いは、

消耗戦の末、混迷を極めていた。

 

そんな中、趙軍武将、尭雲の元に向かう騎馬が一頭。

 

蛇のような瞳を見開き、

尭雲がつぶやく。

 

「来たか。王賁

 

混迷を極める右翼の戦いの中、

宿命の再戦の火ぶたが切って落とされようとしていた。

 

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以上がキングダムのネタバレでした!

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キングダム608話の感想と考察

王翦の最終目標は、

今までほのめかされてはきましたが、

ついに明言されましたね。

 

秦軍、趙軍を前にして

「国を作る」と堂々と言い放ったわけですが、

これが後々の伏線になるのでしょうか?

 

心配なのはですね。

 

今まで何度も限界を超えてきた信ですが、

今回ばかりは相当につらそうです。

 

信のいる右翼は、

李牧と王翦の戦い、

ひいては趙軍と秦軍の戦いを決定づける、

超重要な場所です。

 

勝利のためには

右翼を抜く必要がありそうですが、

この戦いがどう関わっていくのか、楽しみですね。

 

史実から考察すると、

この戦いは秦軍の勝利で終わるはずです。

 

ただ、オリジナル要素を大量に詰め込んでいる

キングダムなので、

本当に史実通りに話が進むのかはわかりません。

 

王賁と尭雲の戦いで次回を待つことになりましたが、

この戦いも秦軍の命運を決定づけることになりそうですね!

 

ただ、王賁はかなりの重傷のはずです。

 

王賁が、そして信が、

どのようにこの死地を乗り切るのか、

楽しみですね!