こちらの記事では(2019年8月20日)に発売された

前科者の最新話『35話』のネタバレや感想、考察

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前科者の最新話35話のネタバレ

よしと前科者たち

「もし3人を傷つける悪いヤツがいたら……祟ってやる!

 

よしは澄んだ瞳でそう言い放ち、

前科者たちを守った。

 

「確かに人間死んだら終わりだけど、死者はもう死なねえから、ある意味最強だな」

「フフ、そう、死者は怖いんです。全てお見通しですから」

 

みどりの言葉に微笑むよし。

だが、彼女の身体を、ひどい痛みが襲う。

 

「救急車!!」

 

救急車で酸素マスクをつけ、

何かを呟こうとするよし。

 

「なんか言いたいの?」

よしは、付き添いのみどりに、

何か伝えたいことがあるようだった。

 

スマートフォンで、その様子を撮影するみどり。

 

彼女は一時的に酸素マスクを外すと、

何かを呟いた。

 

病院に搬入されたよしは、

集中治療室に入れられていた。

 

佳代と多美子も、

よしが無事で帰ってくることを祈る。

 

「もう朝か……」

佳代とみどりは、病院の待合室で朝を迎えた。

 

目覚めて挨拶を交わす2人だが、

多実子がいない。

 

自分を責める多実子

多実子は、

公園へと赴き、

ウサギの人形の前で1人許しを請うていた。

 

「ごめんなさい、ごめんなさい…私が悪いんです……ごめんなさい……」

そこに、ウサギの人形の持ち主だという

少女が現れる。

 

太った少女は、多実子を罵倒すると、

ウサギの人形をひったくって背を向けた。

 

「待って!」

少女を呼び止める多実子。

彼女は少女に何かを感じ泣いたままの顔で問う。

 

「あなたは、お父さんやお母さんにいじめられてない?

「はあ?なにそれ?ばっかじゃない!」

「あっ、変なこと聞いてごめんなさい」

多実子の問いかけに何か感じるものがあったのか、

少女は不安そうな表情を浮かべて問いかける。

 

「も、もしかして、警察の人ですか?」

「違います!警察なんかじゃないです」

「だったら、関わんな!」

少女はそのまま、

踵を返してどこかへ行ってしまった。

 

一方の病院では、

よしが息を引き取った。

 

元からよしは心臓が悪く、

その上、高齢だ。

 

いつ倒れても仕方のない状態だった。

 

そこに多実子が帰ってくる。

 

彼女は多実子の死を、

自分がショックを与えたせいだ、と

呟き続けていた。

 

「……そう思えるのは多実子さんの優しさだと思います。

だけど、虐待された時に植え付けられた考え方の癖だともいえます」

 

佳代は膝をつく多実子と視線をあわせ、

ゆっくりと続ける。

 

「言い方を変えれば、今、多実子さんは『私』って言いましたけど、」

「その『私』多実子さんじゃないのかもしれません

「じゃあ、『私』って……?」

「……『私』って考えると疲れるし、息詰まっちゃうんで……

『私たち』が先にあって、そのあとに『私』があるっていうか」

多実子が顔をあげる。

 

「その、私たちって、佳代さんたちのことですか?」

「それもあります。多実子さんにとっては自助グループの『私たち』もあるし」

「仕事先の人たちとの『私たち』もある」

「……そう考えると、ある意味、楽だな、と思うんですよ」

 

佳代の言葉に、多実子が立ち上がった。

そして、ふと、先ほどの少女のことを思い出す。

 

なぜ自分はあんなことを聞いたんだろう、

と多美子が尋ねると、佳代は笑顔を浮かべて答えた。

 

「それはきっと、多実子さんがその子を、私たちだと思ったからですよ」

 

よしとの別れ

よしは生前から自分の葬式代をためていた。

 

3人は彼女の葬式を終え、

そのあと、ベンチでなんとなく空を眺めている。

 

「……もう一回くらい、みんなでご飯食べたかったですね」

佳代の提案に、みどりが乗る。

 

だが、その前に、とみどりがスマートフォンを取り出した。

 

「撮ったんだよ。ババアからの、最後の言葉」

みどりが動画を再生する。

 

そこには、救急車に乗せられながらも、

最後の力を振り絞って

言葉を発するよしの姿が映っていた。

 

よしは苦しそうにしながらも、

気丈に笑顔を浮かべて、途切れ途切れに言葉を発する。

 

「ま、守り、ます…あなたたちを……絶対……守ります、から……」

 

3人の目に涙が伝う。

みどりが空に向かって、声をあげた。

 

「頼んだぞ、ババアー!言葉通り、あたしたちを守れ!守りやがれ!」

 

うつむきながら、

佳代がでも、と切り出す。

 

「よしさんが言っていたように、こちらにも覚悟がいります。」

死んだ人は、すべてお見通しなんですから

 

そして、彼女も立ち上がり、

空を見上げる。

 

「私の母もすでに亡くなっています。それを想うと、身が引き締まるんです」

「そっか……佳代ちゃんのお母さんも、見てんだな」

 

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以上が前科者の最新話『35話』のネタバレでした!

 

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前科者の最新話35話の感想と考察

人の生と死、

罪について問いかけてくる内容でした。

 

死んだ人は仏様になり、

あの世から生者たちを見守っているという考え方は、

死生観としては普遍的なものですが、

こうしてお話になると、とてもよい考え方ですよね。

 

よしさんが旅立ってしまわれたのは悲しいですが、

とてもよい最期だったと思いました。

 

次の話ですが、

コミックのあおりからすると、

どうやら今度は「とんでもない少年」

佳代が担当することになるようです!

 

少年犯罪の凶悪化が報道されて久しいので、

それをテーマにした物語が展開していくのかもしれません。

 

いずれにしても、

続きが楽しみですね!

 

まとめ

ここまで前科者の最新話『35話』のネタバレや感想、考察を

ご紹介してきましたが、

いかがだったでしょうか?

 

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