こちらの記事では(2019年8月23日)に発売されたしっぽ街のコウ先生の最新話『28話』のネタバレや感想、考察を
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しっぽ街のコウ先生の最新話『28話』のネタバレ
動物病院への遺産贈与
坂の上動物病院。
治療台の上に一匹の犬が老犬が、
老いた飼い主に撫でられながら大人しく座っています。
ひとつだけ考えがありますと獣医師のコオが切り出しました。
「ふたりがふれぞれ離れても安心できる方法が」
それは、先代の徳丸医師が千葉に開いた老犬ホームに
ゆだねる方法でした。
徳丸にコオが電話すると、一旦は徳丸もその件を渋りますが、
結局受け入れることにします。
彼は、ほとんどボランティアのような活動をしているのでした。
…仕事仲間とそんな話をしていると、
弁護士が訪ねてきたと告げられます。
久保田と名乗った弁護士は
「『遺贈』についての相談です」と話し始めました。
ある人物が、昔飼っていた犬がお世話になったからお礼に、
自分が無くなった後でこの病院に財産を送りたいというのです。
古いカルテを捜してみると、
確かに贈与主の「落合ふき」の名が。
コオも一時期、徳丸と一緒に会った記憶があります。
遺贈金は300万。
病院スタッフは新しい機材が買えると喜びますが、
1人は「ご家族と揉めなきゃいいが」と危惧を口にしました。
コオは弁護士と共に、落合ふきの自宅を訪ねます。
彼は、ふきがシニアハウスに入る際に相談を受けていた人物で、
「しっかり考えておられましたよ」とコオに言います。
それは自身の生き死にだけではなく、贈与のことも示しているようでした。
無人の自宅の壁には、
たくさんの犬の写真が貼られ、
子供のようにかわいがっていたのがわかります。
二代にわたり、
坂の上動物病院にはお世話になったと彼女は言っていました。
…コオは思います。
この贈与は自分ではなく、先代のためのものではないか、と。
「どなたもご親戚はいないのですか?」
アルバムには娘と思しき女性が写っていました。
「縁を切られたと。おふたりはもう何十年も会われてないとか。」
娘にはすでに弁護士が連絡済みで、
遺贈に関しても揉めるようなことはないと言います。
むしろ、娘は自分には関係ないとまで言っていたのです。
2人が話していると、解体屋が到着しました。
明日にはこの家は、更地になってしまう予定なのです。
コオは考えていました。
死期を悟って施設に入ってもこの家を残していたのは、
娘のためだったのではないだろうか。
思い出も何もなくなってしまっていいものか、と……。
自宅に帰ったコオは、この一件を家族に話します。
近所という事もあり、母は落合ふきと娘のことも知っていました。
一人娘のなつ子は、結婚のことでもめて家をでていってしまたったのです。
もう20年以上前のこと。
「何か和解しかけたけど結局だめだったって」
病院ではスタッフが目を輝かせて贈与の話がどうなったかと聞いてきました。
だが、スタッフとは裏腹に、コオは素直によろこべません。
翌日は休みという事もあり、コオは落合ふきのカルテを
調べることにしました……。
誰のための善意
徳丸ののこしたカルテにはプチ情報がテンコ盛りでした。
ふきが実は犬嫌いだったことも書かれています。
…ある日、彼女は正装のまま血だらけの愛犬アキを連れてきたとありました。
アキは道路に飛び出してバイクにはねられてしまったのです。
大学病院に連れて行くほどの大けがだったのが分かりました。
コオは徳丸と電話で話し、その日の詳細を確認することに。
彼女の正装の理由は、実は娘の結婚式へ行くためだったのです。
何年も連絡の無かった娘でしたが、
結婚を認めて欲しいから式に出て欲しいと言われ、
ふきもそうするつもりだったというのに…。
でも、仕方がないとはいえ彼女は娘より愛犬をとりました。
「どうすればよかったの?ごめんなさい、ごめんなさい」
彼女は泣き崩れていたと言います。
その後、徳丸は事の顛末を娘に言おうとしましたが、
当時ふきも連絡がとれなくなってしまいました。
気持ちはわかるとコオ。
「娘さんの居ない数年間どれほどアキちゃんが心のささえになったか」
あたりまえだと徳丸も同意するのでした。
墓前での和解
コオは徳丸と共にふきの墓参りに訪れます。
そこに彼女の娘・なつ子が現れました。
「けじめですから。これでスッキリします」
そう苦々し気に言うなつ子に徳丸は
「誤解したままスッキリか?」
と問いかけます。
なつ子は、結婚式の日、
自分より犬を取ったことは人づてに聞いていました。
誤解ではないと思っているのです。
コオが言います。
「犬嫌いだったお母さまでしたよね?」
他人に譲ることも出来たのに、
娘のように側に置いて可愛がっていたことが、
アルバムを通してよくわかった、と。
徳丸もあの結婚式の日、
ふきが式にはいくつもりだったことを告げます。
そして結局行くことが出来なくなった際に
ふきが言った言葉を口にしました。
「泣いとったぞ『ごめん、ごめん』と。
『幸せならそれでいい』と…」
ふきはアキやその子と家族ごっこをして
それなりに楽しく暮らしていたと言います。
アキの子が生まれた時は孫だと自慢して…。
「僕は孫のラナちゃんしかしらないけどイイコでしたよ」
コオがその名を告げると、なつ子はわなわなと震えだしました。
ラナ…それはなつ子の娘の名前…。
つまり、ふきの実の孫の名前だったのです。
なつ子はふきの墓の前で号泣しました……。
「お母さん…どこまで知っていたの。
本当はずっと遠くから見守ってくれていたの?」
真実がわかっても、家も土地も亡くなって彼女は悲嘆にくれるなつ子。
「アルバムがありますよ。僕の所に。」
とコオは告げます。
家が解体される前にコオが徳丸にみせるつもりで持ち出していたのでした。
そこにはふきの何十年もの記録があります。
「次女のアキさんのことや孫のラナちゃんのことや、
楽しそうな生活の記録がたくさん」
なつ子が言います。
「見たいです!ありがとうございます。ありがとうございます。」
そして、なつ子は帰っていきました。
遺贈についてはふきの遺志のまま進めて欲しいと言い残して。
「私の家族がおせわなったのだから。ここで!」
ここで役立ててほしいと。
コオは結局、徳丸へその遺贈金を渡すことに。
なぜなら老犬ホームは『ここ』とつながっているから…。
「同じことです」
コオは思います。
『誰がために…?しっぽの家族のために!』と……。
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以上がしっぽ街のコウ先生の最新話『28話』のネタバレでした！
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しっぽ街のコウ先生の最新話『28話』の感想と考察
長年の親子のわだかまりを取るために、コオと徳丸が活躍できた回でした。
動物病院という場所が、
単に動物の不調を診るだけではないとつくづく感じさせられます。
家族でももめることはよくある話。
でも、その後どうするかによっては
悔いを残したまま命尽きることもあるでしょう。
落合さんは、犬のアキ&ラナのおかげで
それなにり幸せだったと思いますが、
娘と和解できなかったことだけは心残りだったと思います。
…年を重ねなければ分からない想いというものがありますが、
娘のなつ子は、この経験を生かせる人であって欲しいと願ってしまいます。
でも去り際の彼女の笑顔や、
母の遺志をコオに託したことを思うときっと大丈夫でしょう!
動物病院の難しさも考えさせられます。
実際にこのように家族との関りが
これからの動物医療には求められる部分がでてくるでしょう。
が、実際には動物を診るだけでも手いっぱいの医療機関の方が多いはず。
また、動物『しか診れない』獣医師も沢山います…。
何もかもが出来る人は多くはないのですから、当たり前です。
とはいえ、その動物と深く関わる家族（飼い主）にも
目を向けてこその快方の場合もあるのですが…。
あまり多くを求めても仕方ないのですが、
医師と患畜の家族を精神的にサポートできるスタッフが
求められる時代の気がしました。
まとめ
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