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BEGINの最新話『64話』のネタバレ
趙とマッケンジーの米中政策
海上を進む空母、潜水艦から発射されたミサイルは
沖縄上空から市街地へ落下した・・・
中国国家主席、趙隻平は自宅の机に座ったまま眠っていた。
夢の中で沖縄に核弾頭が落ちるのを見たのである。
蝶の机の上には東シナ海を中心にした地図や
様々な報告書が並んでいる。
どうやら沖縄周辺の状況を分析して
徹夜をしたのがこたえたらしい。
差し出された茶を飲みながら
趙は先日のマッケンジー三世とのやりとりを
思い出している。
その席で、マッケンジー三世は趙に
アメリカが対中関税を撤廃し、
さらに通信端末の規制も解除することを告げた。
アメリカの対中経済政策で下落している
中国のGDP回復にはこれ以上ない政策変更である。
これが実現すれば中国は再び大国への道を進むことが出来る。
マッケンジー三世はこれを条件に
中国に日本を攻撃することを策謀しているのである。
マッケンジー三世は中国が対日宣戦し
日本人が中国に破れれば、
日本は自国の無力を知ることになり
また以前のようにアメリカの属国として統治できる事を
メリットと考えている。
出兵の理由などどうにでもなる、
「戦争の理由など勝者の故事付け、どうにでもなる。
あなたの頭脳なら苦労はない・・・」
マッケンジーは米軍が動かないことを約束し
台湾、香港の政権も黙認するであろうと言う。
そして、この作戦は趙にとっても
中国人民解放軍のガス抜きという
大きなメリットになることを示唆した。
このメリットは趙の決断を促す役割を果たしたようだ。
中国人民解放軍の実態
その頃、新海は蒋知永に連れられて
人民解放軍の演習を見に来ていた。
蒋によれば人民解放軍も趙が抱える矛盾の一つであるという。
人民解放軍は総勢1000万人の大世帯の組織であり、
この一つの国家に相当する兵隊を食わせていかなければならない、
そして人民解放軍は
自分で自分の食い扶持をかせがなければならないのだという。
学校や病院、レストラン、クラブから農場まで
広い業種を経営している従業員1000万人の大企業なのだと。
現在、アメリカの対中経済政策により
人民開放軍の活動は締め付けられているため
その怒りは国家主席に向かっている。
そしてその怒りを発散するために
尖閣、南沙、台湾、香港などの
対外的な軍事活動がガス抜きとして自己発生的に起こるのである。
軍の能動的な活動は
覇権国家としての中国の根幹であり
国家主席の意志とは別のものなのだ。
新海は中国という国家を動かす力を感じていた
(それゆえ、自由主義だった趙隻平が独裁に動く、
時には“悪魔”にも・・・)
軍の存在と国家の関係を問う新海、蒋、秦の三人に
中国海軍出兵の伝令が届いた。
訓練ではない、攻撃目標は沖縄の実戦装備だ。
中国海軍出動、目標沖縄
趙の発表した出兵理由は
日本への核配備に対する米軍への牽制と
シーレーンの確保である。
条件は紛争終結時の、
尖閣・石垣・宮古島に対する中国による占有、
領土拡大を目的とする領有戦である。
趙の出兵理由は核配備と沖縄の基地を背景とした
米国による対中軍事封鎖への挑戦の形を取っている。
マッケンジー三世は受けて立つ
「尖閣、石垣、宮古を奪(と)る・・・いいだろう、本気で来い!」
この事態を受けて、日本の首相官邸危機管理室では
状況の分析を進めていた。
台湾軍は動きを見せず、米軍は静観を決めている状態、
国政を牛耳る東郷輝一は、
これをマッケンジーのプランと見極めた。
「解決策は一つだ。マッケンジー三世に頭を下げよう。
米国との関係もすべて以前に戻す・・・
核配備は世論に訴えて阻止すればいい・・・」
神津は桜田悟の遺書を読みながら
その思いに心をはせる、
桜田が生きていたならどうするだろうか。
国家を動かす二つの意志
沖縄普天間基地では軍属、及びその家族の避難を進めていた。
米国軍務特官クレインはマッケンジー三世がとった決断を憂慮していた。
一世が原爆、
二世がべトナムの枯葉剤作戦という毒をそれぞれ飲んだ、
そして三世が今、中国という毒を飲もうとしている。
言葉少なに歴史を振り返るクレインに
マッケンジーはそろそろ「主人を換える」ことを薦めた。
CIAエージェントのキャシーは
日本が対米政策自立化の道をとったことが、結果的に
マッケンジー三世の政治的成長を促したのをみてとった。
その頃、中国では蒋、秦、新海が
公安と思われる男達に囲まれ、銃を突きつけられていた。
日本と中国が戦争状態になったため、
三名に対し主席から射殺命令が下った。
ついに趙隻平の“悪魔”が表に出てきたのだ。
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以上がBEGINの最新話『64話』のネタバレでした!
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BEGINの最新話『64話』の感想と考察
マッケンジー三世による対中扇動作戦は効を奏し
ついに中国海軍による出兵がなされました。
対米従属を覆すことを目的とする神津たちの政治活動は
結果的に米中両大国の利害を一致させてしまい
両国による対日強硬路線を合理的なものにしてしまった感があります。
日中が開戦してしまったために中国国内で
共産党の経済的切り崩しを画策していた新海は
非常に危険な立場にあることになりました。
基本的に米中両トップの動きは
日本政府及び神津、新海たちをはるかに上回る
規模とスピードで進められています。
状況の把握と対策が完全に後手に回っているといっていいでしょう。
東郷はマッケンジーに頭を下げることを解決策としたいようですが
中国の宣戦は米軍の対中軍事包囲を理由にしています。
マッケンジーの目的が日本に対する統治を強化するためならば
東郷の謝罪を受け入れない可能性もあるでしょう。
そして、趙が対日開戦を決断したことには
マッケンジーの策略以外にも目的がありそうです。
次号では冒頭の夢が現実となるのでしょうか、心して待ちたいと思います。
まとめ
ここまでBEGINの最新話『64話』のネタバレや感想、考察をご紹介してきましたが、
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