こちらの記事では(2019年8月6日)に発売されたキスは、原稿のあとでの最新話1話のネタバレや感想、考察を
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キスは、原稿のあとでの最新話『1話』のネタバレ
三嶋のぞ・仕事にも恋人にもフラれた30歳
「三島くん…今年の契約更新はなしで、明日から来なくていいよ」
三嶋のぞは、誕生日の前日に突然クビになってしまった。
有給消化していいからとは言われたのは、
せめてもの幸いだ。
出版不況とはいえ、
本が売れないのはのぞのせいではないと
恋人は励ましてくれた。
が、のぞにしてみれば、
作家は最高のものを頑張って書いてくれていると感じている。
本が売れないのは自分のせいだと、彼女は考えているのだ。
そんな彼女の姿勢を、彼は好きだと言ってくれる。
が、その彼が同じ口で、
「仕事辞めても、俺がいなくても大丈夫だよな」
と別れの言葉を切り出した。
好きな子が他に出来たというのだ。
のぞは30歳の誕生日の前日に、仕事も恋も失った。
新卒で大手出版社に入社して、広報に配属された。
だが、どうしても文芸の仕事がしたくて大手を辞めてまで、
小さな文芸出版社に契約社員として入社したのが、一年前。
…こんな風に、哀しい出来事があっても、
彼女には心の支えがある。
本が、好きで小説が好きで好きでたまらないのぞ。
彼女はパソコンを立ち上げる。
いつも読んでいるWeb小説が更新されていた。
作者は”零”。
男か女か、年齢も分からない、謎の作家。
優しく燃え上がる恋の物語を読み、
「こんな風に好きになれたらなあ」
とのぞは思わずにはいられない。
零の圧倒的に心を動かされる作品は、
のぞの心を正しい位置に戻してくれる。
彼女は感想をDMで送る。
それはいまや習慣なのだ。
零は集談社から公式にデビューもしている。
大人気シリーズの最新刊が
100万部突破したとツイッターにも書かれていた。
そんな零へののぞのDM。
…零はそれをしっかりと読んでいたのだった……。
元同僚・水川の応援
気を取り直して、
さっそく就職活動を開始しようとするのぞに、
一本の電話が入った。
一緒に仕事をした五十嵐先生だ。
「新作の構想が浮かびそうなんだけど」
そういわれて、誘いに応じてのぞは、
仕事着に着替えると急いで呼び出された店に駆け付けた。
が、それはただの食事会で、席には元同僚の水川もいた。
五十嵐先生も水川も、のぞが仕事も恋も失ったことに驚く。
それも、記念すべき30歳の誕生日の前日に…。
五十嵐先生が、零の話をふる。
実は集談社で零の担当は水川なのだ。
もちろん水川は零の正体は知っているが、
本人の希望もあって外部に明かすわけにはいかない。
そこはプロなので口が堅い。
「向こうから『仕事がしたい』と言ってもらえるようにならないと」
のぞは少々酔いの回った笑顔で本音を漏らす。
そんなのぞを水川はまぶしそうに見つめていた。
朝まで飲み明かし、五十嵐先生はタクシーで帰っていった。
のぞはかなり酔っており、上機嫌だ。
久しぶりに飲めて、水川にも会えて楽しかったと喜んでいる。
水川は酔いついでに本心を明かした。
「オレは三嶋のこと『すげーな』って思ってるよ」
新入社員の頃、彼は同じのぞと同じ部署に配属されて、
彼女の読んでる本の量、知識、熱量に舌を巻いたのだ。
彼女に負けまいと頑張った結果が、今の水川ともいえる。
「編集…続けろよ」
そう言ってくれる水川に、
のぞはありがとう、と笑顔で礼を言った。
零との”再会”
だが、と電車の中でのぞは思う。
もう30歳。
「私は大丈夫」
なんて根拠のない自信はもうもてない。
失った仕事や恋……それらの不安に押しつぶされ、
酒も手伝って、
なんとか部屋のドアの前まで来たが、体調がよくない。
めまいがして倒れそうになる彼女に、
手を差し伸べる人物があった。
「…朝帰りとか聞いてないけど」
見知らぬ綺麗な男の子がそこにはいた。
天使が迎えに来たのかと思う幸せな頭と裏腹に、
体の方は嘔吐に悲鳴を上げようとしていた……。
……のぞは夢を見ていた。
それは、大学生時代、友人の弟の家庭教師をしていた時の事だ。
「***くんは、文章書くの上手だね」
名前も思い出せない男の子。
その子の文章を、上手というより、
「好きだなぁ」
のぞはそう言っていた。
…頭の痛さを抱えつつ、のぞはむくりと起き上がった。
が、そこには例の男の子が、上半身裸でいたのだ！
酔った勢いでナニかしてしまったかと恐れるのぞ。
しかし、彼は、何もないし、吐かれた服を洗っただけだと答える。
さらに、『見知らぬ男の子』でもないと彼はいう。
「覚えてない？のぞ。レイだよ。」
そういわれて、のぞは思い出す。
そして彼はいう。
「感想…いつもたくさんありがとう」
のぞは彼が零だとはまったく気が付かなかった。
憧れの零が、10年前にあったあの子……。
「のぞ、30歳の誕生日おめでとう。」
そう言って、10年分のプレゼントと称して、
彼は小説の原稿をのぞの前にばらまいた。
「小説全部あげるから俺と結婚して？」
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以上がキスは、原稿のあとでのネタバレでした！
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キスは、原稿のあとでの最新話『1話』の感想と考察
アンハッピーから始まった物語でしたが、
最終ページで大どんでん返し、
年の差カップルの誕生となりそうです!!
10年間存在を忘れていた美少年からの
突然のプロポーズに、
主人公・のぞはどう切り返すのでしょう。
それにしても、
さんざんなバースデー・イブになってしまっています。
契約社員としての契約が切られ、
3年つきあった彼からはお別れされ…。
根拠のない自信はもうもてないと言いながらも、
のぞは前向きですね。
そのうえ、突然舞い込んできた、
憧れの謎の小説家・零からの「小説全部上げるから」発言は、
小説好きで編集の仕事も好きな彼女にはたまらないことでしょう。
ただし、「結婚」を突然言われたのは、
さすがにビックリですが。
ところで、リアルな話、
のぞはその会社をクビになって良かったと思います。
まともな企業なら、
解雇するのに最短でも1か月前に通告するものです。
たかだか1年の契約社員であれば、
有給も10日しかないはずです。
特に表記はされていませんが、
ブラックに位置付けてもいい位の待遇です。
恐らく、長居してものぞは良い仕事が出来なかった可能性もあります。
縁が切れて良かったと個人的には思ってしまいました。
それはさておき。
これから、公私ともにのぞと零の年の差カップルが、
どんな物語を紡いでいくのか楽しみです!!
まとめ
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