こちらの記事では(2019年8月27日)に発売された
おやすみカラスまた来てね。の最新話『19話』のネタバレや感想、考察を
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おやすみカラスまた来てね。の最新話『19話』のネタバレ
怪談という名の想いで話
鳥海信一の母は今日もスーパーの半額のお弁当で、
夕食を済ませる予定です。
息子の信一は連日の飲み会で遅いので、
今日は1人で飲もうかと酒売り場を物色していました。
すると息子の職場の同僚の木村に声をかけられます。
彼の話では仕事がらみの飲み会で
信一の帰りが遅いのではないことが判明しました。
「信一君、最近ハマってる店があるみたいで。」
木村はそう話し始めました……。
バー・一白玆(いっぱくげん)では、
客の一人が『怪談ライブ』のフライヤーを持ってきました。
「泣けるくらいコワイんだって♡」
店の2人は、謹んでお断りします。
マスター・十川善十(とがわぜんじゅう)と
オーナー兼バーテンダーの九重一葉(このえひとは)は
二人とも怪談には興味がありませんでした。
というよりも、
わざわざお金を払って怖い思いはしたくないタイプだったのです。
お客がはけてから、
二人は先日訪れた脚本家柳原の噂をしていました。
彼はマスターの十川が大好きなドラマを創った人物。
また会いたいと十川は思っていたのでした。
…一方、2人が断った怪談ライブを訪れた人物たちも当然います。
信一は飲み友達の十川のモトカノ・古賀紅央(こがべにお)と
二人でライブを見終わったばかり。
紅央はかなり怖かったらしく、
怖くて眠れないから飲み明かすと騒ぎ出しました。
「結局飲みたいだけですよね?」という信一のツッコミは無視されます。
そして、入った店で、二人は百物語を始めました。
自分からで始めたことですが、
紅央は恐怖が更に増してしまい、
どこか楽しい所へ行こうと信一を誘います。
そうして訪れた一白玆は、すでにシャッターが閉まっていました。
時刻は午前三時。
お店は基本2時までです。
そんな二人を、帰り支度が済んで外にでた十川と一葉が見つけます。
結局4人で飲むことになりました。
泥酔状態の紅央はまだ怖い話を続けようと提案します。
十川は笑顔で浮かれている紅央を久しぶりに見ました。
(多分僕は紅ちゃんのへろへろ顏にちょとアガったんだ)
…十川が「あるよ。不思議な話。」と自ら語り始めたのです…。
夢に現れる亡きマスター
「無職のダメ男が彼女にフラれて泣きながら酒場をさまよって、
ある看板をみつけてお店に入るんだ。」
薄暗い地下ののバーの扉を開けると、
羽音と共に鳥の羽が舞い散った…。
そんな出だしで話は始まりました。
カウンターの向こうには白髪のマスターがいて、
男は一晩、気持ちの良いお酒を飲みます。
そして翌日、マスターの言葉に従い履歴書を持って再訪すると、
そこにはマスターの娘が一人いるのみ。
実は、マスターはとうに亡く、今日は初七日だというのです。
…聞いていた者たちが気づきました。
これは十川と一葉の父の話だと。
十川は架空の話として続けます。
…男は結局、その店でマスターを継ぐことになったのだと。
それからマスターは時々男の前に現れます。
それは夢なのか現実なのか、彼には分りません。
男は自分の経験したことを他人にも理解してほしいと思いますが、
一周忌に現れた亡きマスターが言います。
「納得しようとしまいと事実は一つ」
その言葉を受けて、男は気になっていた、
マスターの女性関係を訊きだそうとしました。
が、男は夢から醒めてしまいました。
…そんな話を聞かされた紅央は尋ねます。
「その男に意思はあるの?」
「あります。」と十川は即答します。
亡霊に操られているわけではないなら、
問題ないだろうと紅央が言うと、
一葉は黙って微笑していました。
亡きマスターの真実
皆が外に出ると、すでに太陽が高く昇っています。
それぞれ帰宅していく中、十川が一葉に話の続きをしました。
男が尋ねた内容を。
『マスター本当に浮気しましたか?』
その答えはよく聞こえなかったと言います。
しかし、事実は一つなんだろうと、
十川はマスターの娘・一葉に伝えました。
翌日の夜。
自宅にいた信一が母親に声を掛けられます。
息子と話をしたあとで、母親は一白玆を訪れました。
開店前の時間に訪れた彼女は自分は鳥海だと告げます。
そして一葉に会いたいというのです。
奥から現れた一葉に鳥海は深々と頭を下げるのでした……。
……夜が明けて、一葉が自宅近くを歩いていると、
「一葉さん」と呼び止める声があります。
バーの客の一人、柳原です。
彼は彼女の自宅が近くにあることは知りませんでしたので、驚きを隠せません。
「僕は今ものすごい運命を感じてますよ!」と柳原は1人で盛り上がります。
柳原はアルコールが入ると仕事が手につかなくなる性分です。
久しぶりの仕事に根を詰めて、一白玆にも行けずにいたのですが、
仕事が一段落したこともあり、
今夜にはまた行くと約束しました。
「お疲れ様でした。お待ちしております。」
そんな一葉の笑顔に、
柳原は本当に疲れが吹き飛んだと嬉しそうです。
そして、人間観察の好きな彼が一葉に問います。
「一葉さんは?疲れていませんか?」
……鳥海が訪ねてきた日。
彼女から一葉は事の真実を知ることが出来ました。
父である前のマスターとかつてマスターに憧れていた鳥海の間には、
恋愛関係はなかったと言います。
鳥海の一方的な片思い。
鳥海には当時付き合っていた、
やくざのような男がおり、
信一もその男の子供でした。
しかし、男は彼女の妊娠をすると捨てるように去っていきました。
亡きマスターは、
従業員として大事にしていた彼女と彼女の子供が不憫で、
本当に父親でないにもかかわらず『認知』してくれたのです。
「ご家族にとってはとんでもないお話ですよね。」
鳥海はずっと下を向いて話し続けていました。
涙がこぼれるため、ハンカチを手放すことが出来ません。
「一葉さん、ごめんなさい。あなたのお父様は潔白です。」
…一葉は十川が言っていた言葉を思い出します。
『事実はひとつ』
ただ、と鳥海は続けます。
「息子は今もこのことは知りません。」
鳥海親子にとって、
マスターとの絆が生きるよすがだったのですから。
泣き続ける鳥海に一葉が笑顔で言います。
「私、昔から兄弟が欲しかったんです。」
父の事実、鳥海の想いを知って、
一葉もまた涙を流していました……。
そんなことのあった一葉は、柳原に問われた言葉に帰します。
「元気です。ありがとうございます。」
青空のしたにふさわしい、満面の笑顔。
彼女の笑顔にほだされて、
柳原は彼女の家についていきたいと言い出します。
そんな柳原を
「ダメです。」とピシャリと断る一葉でした……。
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おやすみカラスまた来てね。の最新話『19話』の感想と考察
亡くなった父の真実が判明して、一葉も一安心です。
通常では考えにくい真実ではありましたが、
きっと父を良く知る娘からすれば
何も不思議はない出来事だったことでしょう。
恋愛関係があるわけでもないのに、
他人の子供を認知するなどなかなかできるものではありません。
鳥海親子の心が浮草のようにならずに済んだのは、
まさに彼のお陰です。
それゆえに、息子には真実は告げられなかった信一の母…。
過去の事はともかく、
大人になった彼になら真実を告げてはどうか
という向きもあるでしょうが、
こういう事に正解はありません。
結局当事者しか解決出来ない問題。
一葉は父の行いを全面的に受け入れて、
義理の弟を喜んで迎えようとしています。
何もなければ父同様、
墓の中まで秘密をもっていくのだろうと思わせました。
“この父にしてこの子あり”といった風情です。
今回は一見、十川が活躍していないようにも見えますが、
実際には彼の架空の怪談もどきが、
一葉の心を支えてくれました。
十川と一葉。
この二人のバー・一白玆は、
これからも一筋縄ではいかない悩みを抱えた人たちを、
優しく癒してくれそうです。
次回は、一様に訪問を約束していた柳原が、
もっと関わってくるかも?楽しみです♪
まとめ
ここまでおやすみカラスまた来てね。の最新話『19話』のネタバレや感想、考察をご紹介してきましたが、
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