こちらの記事では(2019年8月5日)に発売された

雪花の虎の最新話58話のネタバレや感想、考察

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雪花の虎話の最新話『58話』のネタバレ

僧侶・空雅

竜胆・吾亦紅。毒消しとなる薬草を求めて

山中を奔走する虎でしたが、

勝手知ったる越後と違い

土地勘のない熊野の山々では、ろくすっぽ検討もつきません。

 

そもそも薬草を得たところで、

煎じる道具もなければ手当もままなりませんが…。

 

しかし源十郎の状態は非常に悪く、一刻も解毒に当たらねばなりません。

焦る虎の目前で、突如草木が揺れ動きました。

 

追っ手か、山の獣か。

瞬時に振り向く虎の前に、

なにやらむくつけき僧侶がやってきました。

 

「えらい別嬪さんがこんな草むらで何しとるんや?」

ここいらの方言で喋る髭もじゃの僧侶に、

虎は警戒心を露わにします。

 

笑ってとりなす僧侶。

「拙僧は高野山に務めておる空雅いうもんや」

 

高野山と聞いて態度を多少改める虎。

は和歌山県伊都郡に位置する高野山。

昔は女人禁制の厳しい戒律の元、

数多くの修行僧が集う場所でありました。

 

遠方の者と気づかれ、今の状況を鑑みた虎は、

女言葉の方で空雅にここにいたわけを返答します。

 

遠方・越後からはるばるやってきたこと、

連れ合いが怪我をして、薬草を探していたこと…。

 

すると空雅は、「怪我の治療」を申し出ました。

今は薬草が生える時期ではない。

ひょっとすると手持ちの薬でなんとかできるかもしれない。

 

今だ警戒を解かない虎でしたが、

その申し出と、空雅の「弘法大師」への誓いの言葉を聞いて、

彼を洞窟まで案内するのでした。

 

高野山へ

案内され、源十郎を一通り見た空雅。

ですが額に汗かき…

思ったよりも悪い状況にここでの治療は不可能と告げます。

 

途端にいきり立って男言葉に戻る虎。

その勢いと変化にたまげる空雅。

あわてて故郷のなまりと説明した虎ですが、

「お前んとこは女が男言葉で話すんか」と訝し気にされます。

 

怪我の治療がここでは無理な理由…それは使用された毒のせいでした。

単純な毒草や毒虫から抽出されたものではない、厄介な毒。

 

虎がすぐに吸出したお陰で最悪の事態には至らなかったものの

鍛えた男一人を致命傷に陥らせるには十分な猛毒だったのです。

 

「…虎様…私のことは置いてどうか朽木谷へ…」

 

自分の生命を諦め、虎のことだけを口にする源十郎。

ですがそれを虎が容認するはずもなく、

「馬鹿言え!!」と一蹴します。

 

源十郎を置いてなど行けない…

言い切る虎はまたもや男言葉で喋りだしますが、

もう空雅のことは眼中にありません。

 

しかし源十郎もまた、虎のことだけを思って言葉を絞り出していました。

 

源十郎は空雅に、虎を朽木谷へ連れて行ってくれるよう頼みます。

戸惑う彼に、虎の身の上を語ろうとしたのですが、虎に遮られます。

 

「この方は越後の春日山城主で越後守護代の…」

といった言葉を引き取り

「この男は室町幕府奉公衆の進士源十郎殿、儂は越後の長尾家に仕える女じゃ!」

と身分を誤魔化します。

 

幕府奉公衆なんて立派な身分の人が山奥にいることに慌てふためく空雅。

 

単純な善意での声掛けがかなり

厄介な事項に絡むようだと気づいたようです。

 

思い悩む素振りを見せますが、

しかし一転虎の「越後の女」

というキーワードになにやらピンと来たらしく

「ハッ。これもお大師様のお導きいうことか…」

と僧侶らしい納得を見せます。

 

そして空雅の出した提案は驚くべきものでした。

 

「この男、うちの山まで運ぶで!」

 

虎は山…「高野山」に運ぶという提案に眉をひそめるのですが…。

 

「女人堂」という抜け道

ここで作者さんとアシスタントさんのお話。

もちろん知っている人もいらっしゃるでしょうが、

本来、高野山は長らく「女人禁制」の場所でした。

 

これは女性蔑視などではなく、

純粋に僧侶たちの修行の場であったがゆえのこと。

現代は気軽に女性も訪れるようになれましたが

上杉謙信が活躍していた戦国時代には、

もちろんこの縛りはまったくゆるみはありません。

 

そんな中、謙信こと女人の「虎」がどうやって高野山に行けたのか

その理由が語られます。

 

実は高野山でも、

「高野七口」と呼ばれる七つの山道の全てに「女人堂」という、

「女性がぎりぎり入れる境界となる施設」

あったというのです。

 

現在は「不動口」の女人堂しか形をとどめていませんが、

昔は女性でもそこまではお詣りすることができたわけです。

 

しかもこの女人堂、

なんと虎と同じ「越後の女」が建てたものだとか。

空雅の合点がいったわけです。

 

その昔、鎌倉時代中期の頃。

越後の「紀の国屋」という宿屋に小杉という美しい女がおり

佐渡の代官へ嫁ぐものの義母に疎まれ、

あらぬ不貞の罰として両手指を落とされるという痛ましい話がありました。

 

しかも小杉は再会した夫と誤解が解けた後、

授かった愛息子も執念深い義母に殺されてしまいます。

嘆いた小杉は、せめて息子を弔ってほしいと、

遺髪を携えて高野山に赴きます。

 

女人を拒む高野山は、小杉の入山を許しません。

そこで小杉は息子を弔うために、

また自分と似た境遇の女性の為に、

息子のための貯金をはたいて「女人堂」を建て

もてなすようになったのだそうです。

 

文二十二年、長尾景虎こと上杉謙信が高野山を訪れたのは確かなようです。

 

しかしどのルートで詣ったのかまでは記されていません。

 

ひょっとして本当に女人だった場合、

こういう抜け道を使った可能性もあったのかも?

 

歴史のifに想いを馳せたところで、

3人は高野山の女人堂まで辿りつきます。

 

途端濃霧が立ち込めてきました。

まるで同じ越後の女である虎を、かばうかのように…。

 

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以上が雪花の虎のネタバレでした!

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雪花の虎の最新話『58話』の感想と考察

空雅ら高野山の僧侶の前では

「男性」に徹さずに「女性」として振る舞うらしい虎ですが、

ところどころ猫を被りきれていませんね。

 

修行僧らのなかには勘の良いものもいるでしょうし、

隠された虎たちの真の正体に気づくのも時間の問題な気はします。

 

というか、そうしないと「長尾景虎が来た」と記録に残りませんよね…。

 

戦国のボンバーマンこと、

松永久秀の次の一手も気になることですが

毒で意識が浮ついている源十郎が、

何かしらボロを出さないか気が気ではありません。

 

前回、聞かれていまいと虚空に告白したくらいですから…。

 

まったくのアウェーで奮闘する虎たち一行の活躍が

ますます楽しみになってきました。

 

まとめ

ここまで雪花の虎の最新話58話のネタバレや感想、考察をご紹介してきましたが、

いかがだったでしょうか?

 

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